東京国立博物館で働こう!
こんにちはchessinuです。
過去の話ですが、自分は東京国立博物館で監視員と案内係と警備員のアルバイトをしていた経験があるので、今回はその経験や体験を元に「東京国立博物館」の仕事(勤務)内容を出来るだけ詳細に紹介をしていきます。
ちなみに東京国立博物館の仕事と書きましたが、他の博物館でも業務内容はほとんど同じような感じです。
なので博物館での仕事に興味があるけれど業務内容などがイマイチ分からず、最初の一歩が踏み出せずに迷っている方や考えている方の参考になれば良いかと思い記事にまとめてみました。

美術館や博物館で働くためのスペック
まず最初に美術館や博物館で働くためのスペックについて説明します。
Q : 美術・芸術に対する知識は必要?
A : 全然必要ないです。というか働いてる時にそんな深い知識を披露する場面なんてただの一度も無かったですし、基本的にそれぞれの場所に解説するためのマニュアルボードみたいなのがあるので、それを読んでおけば充分です。
そもそも解説などは学芸員の仕事であって監視員などの仕事では無いのです。しかしどうもそこら辺の区別がついていないお客さんがたまに聞いてきたりしますけど、基本的に全てインフォメーションや総合受付に誘導しとけば良いです。(その後は知らぬ存ぜぬ)
ちなみに自分は芸術品に対する知識なんて全く無かったですし、むしろ働いてから色々芸術を勉強できてよかったです。
東京国立博物館を運営している企業について
一口に運営と言っても東京国立博物館内には様々な管轄があり、これらはそれぞれ契約している会社が異なっています。
- 監視員や警備員や案内誘導係…etc
- ミュージアムショップ店員
- レストラン従業員
- 清掃員
株式会社フクシ・エンタープライズ
指定管理事業、スポーツ施設運営事業、文化施設運営事業の株式会社
「株式会社フクシ・エンタープライズ」という会社は、東京国立博物館内で以下を運営しています。
- 監視員
- 警備員
- 案内誘導係
- チケットもぎり
- 券売(チケット売り)
- インフォメーション
つまり監視員や警備員などに就くには、この会社の求人に応募して採用される必要があります。
ちなみに時給も業務ポジションによって変わってきて、たしかおぼろげな記憶だと、インフォメーションの時給が一番高かったはずです…100円くらいかな?
実際に東京国立博物館で働くまでの流れについて
実際に東京国立博物館で働くまでには以下のような流れになります。
- 求人情報を探して応募する
- 履歴書又は職務経歴書を送る(1次選考)
- 会社に行き面接を受ける(2次選考)
- 簡単な講習・研修を受ける
- 実際の現場で働く
求人情報を探して応募する
求人情報誌やネット求人などで探して応募します。
自分の場合はネット求人で探して応募しました。基本的に博物館や美術館のような少し変わった仕事などは、求人情報誌よりかはネット求人で探した方が確実に見つけやすいと思います。
履歴書又は職務経歴書を送る~1次選考~
今はどのようになっているのかは分かりませんが、自分の時はネット求人で見つけても応募は「紙の履歴書」に書いて指定された住所に送りました。もしかしたら今はwebページなどから送ることが出来るようになっているかも知れませんね。
会社に行き面接を受ける~2次選考~
面接形式に関して簡単に説明します。
面接場所
自分の時は、株式会社フクシエンタープライズの東京にある本社に行って面接を受けました。
会社に一番近い駅が「西大島駅」なんですが、そこから大体徒歩で5分くらいはかかります。
オフィスビルというよりは、普通のマンションの4~5階辺りに会社が入っていて初見では割と気づきにくいので、事前にGoogle mapやストリートビューなどを利用して確認しておいた方が絶対に良いです。
面接時の服装
自分は黒いチノパンと上に白の綿シャツを来て行きましたが、リクルートスーツみたいなのを来ている人もいましたね。
まぁあまりにカジュアル過ぎなければ大丈夫だと思いますよ。
面接人数
人数は面接官が1人(女性社員)に対して、応募者6人ぐらいが1つの楕円形の机を囲んで同時に受けました。
そしてここで簡単な自己紹介をします。
自分の時は面接官が「あなたの長所と短所を教えて下さい」みたいな質問をしてきて、それに対してそれぞれが答えていくような感じでしたね。
まぁぶっちゃけこんな質問に対しては、適当にお決まりの「協調性が~」みたいな感じのテンプレート返答で十分だと思います。
正直こんなしょーもない質問のしょーもない回答よりも、その応募者の「身だしなみや態度」を見ていたと後で聞きましたので、むしろそちらを十分に気を付けたほうが良いと思います。
簡単な講習・研修を受ける
自分の時は採用が決まると、「採用者の簡単な講習(研修)があるので、面接をしたフクシ・エンタープライズの本社にもう一度来てくれ」という内容の直電が来ました。(今はメールとか手紙かも知れません)
それで当日、会社に採用された人が集合して顔合わせや簡単な自己紹介、また業務内容や業務上の注意点などを社員の人が説明します。
その際にこのような「新人教育用のマニュアル冊子」を渡されるので、一通り見ておくと良いと思います。
ただしハッキリ言って実際の現場で教えられながら働いてみないと、全然分からないのでそんなに熟読しなくてもいいですよ。
ちなみに服装はスーツ着用で来いとの事なので、私服では行かないようにしてください。
実際の現場で働く
そうしてようやく実際の現場の「東京国立博物館」で働くこととなります。
最初の数日間は研修生として、バイト先の先輩に一日中マンツーマンで教えられながら業務をこなしていきます。
で、そろそろ大丈夫だと判断されたら完全に持ち場を一人で任されて業務開始!
東京国立博物館での仕事の種類
それでは東京国立博物館の仕事の種類は以下のようになります。
- 監視員
- 警備員
- 案内誘導係
- 正門
- 券売(チケット売り)
- 改札(チケットもぎり)
- インフォメーション
全てのポジションで無線を装備して、遠隔でやりとりします。
監視員
監視員の仕事は簡単に説明すると、「展示室内でお客さんを監視する」という業務です。
よく「美術品」を監視していると思ってる人がいますが、監視員が監視しているのはあくまで「客」です。
博物館に来たお客さんがマナー違反(例えば展示物を触ろうとしたり)をしたら注意します。ざっくり言うとそんだけの仕事です(笑)
もう少しだけ詳しく説明すると、Aポジションを30分間監視し続けます。
そのあと交代が来て、今度はBポジションに移動し30分間監視し続けます。
で、また交代が来て、今度はCポジションへ移動しそこで30分間監視し続けます。
Cポジションで30分間監視し、交代が来たらようやく自分は30分間の休憩に入れます。(休憩後はDポジションへ)
つまり
監視を30分間×3(計90分)+休憩30分
が1つの塊で、これを閉館まで一日中繰り返していきます。
ちなみに監視する場所は東京国立博物館内にある以下の建物内の展示室です。
- 本館
- 東洋館
- 平成館
- 法隆寺宝物館
はっきり言って眠気との戦いですね。
お客さんがいなくて暇な時は、ウォーキング・デッドみたいになっています(笑)
警備員
警備員の仕事は基本的に一般のお客さんと関わることはないです。
「えっ?」って思われるかも知れませんが、警備服を着て東京国立博物館内をウロウロと巡回しているのは「衛視」と呼ばれている別の人たちで、警備員は裏口で業者や関係者などの出入りの際の入館確認などをしています。
なので警備員の仕事内容を簡単に言うと、「裏口から入ってくる業者や関係者などの入館対応・手続きをする」ことです。
ちなみに警備員は朝に東博の裏口で、東博で働く他の職員・スタッフの入館(証)の確認作業などがあるので、他の部門(案内係・もぎり…etc)より朝早く来なければならないのが面倒くさかったです。
でも仕事自体は別に難しいわけではないので、慣れれば楽でしたね。
案内誘導係
案内誘導係の仕事内容は名前の通り「お客さんを案内し誘導をすること」で、全員男性スタッフです。
ちなみに自分はこの案内誘導係をメインにやっていました。案内誘導係のポジションは基本的に以下の4ヶ所です。
- 本館玄関前
- 平成館玄関前
- 表慶館
- 東洋館
本館玄関前
東京国立博物館敷地内に入って正面にある本館という建物の玄関の所でお客さんの案内誘導をします。
ここは建物内でやるポジションの中では、やることが多く割と面倒くさいポジションです。
- 大きな荷物を預かる
- 急病人を部屋に案内する
- 何がどこにあるのか説明する
平成館玄関前
東京国立博物館内の平成館という建物の玄関で、お客さんの案内誘導をします。
平成館は主に特別展で使用するのですが、人気のある特別展だとめちゃくちゃ忙しくて最悪です。(特に雨の日は傘対応が本当にしんどい…)
まぁ特別展がなく「常設展示のみ」だと逆に楽過ぎて暇になりますが。笑
それと唯一平成館では、エスカレーターとエレベーターの案内誘導しなければなりません。
表慶館
表慶館が開いている時に発生するポジションで、改修などで締まっている時にはありません。
それにしてもここは本当に思い出深いポジションですね。
と言うのも建物内はひんやりしていて冬はありえないくらいに寒く、そのくせ暖房が一切ないのでまさに「冷凍庫」の中にいる感じです。
また建物自体が古いせいで、鍵も古くて本当に開けづらく閉めづらいという面倒くささ。お客さんも全然来ないのでやることもなく、寝ないようにひたすら歩き回るウォーキング・デッド状態です。笑
東洋館
東京国立博物館内の東洋館という建物の玄関でお客さんの案内誘導をします。
ここは他の案内誘導係のポジションとは違い、衛視と30分交代で仕事をします。
つまり「玄関前で30分間案内誘導をし、衛視が来て交代し30分間の休憩に入る」ということを同じ衛視と二人っきりで、閉館まで一日中延々と繰り返します。はっきり言って時間の感覚がぶっ壊れますね(笑)
というわけで、東洋館は案内誘導の中でも独立したポジションになります。
正門
東京国立博物館の入り口で、お客さんの持っているチケットや手帳などを見て入場をさせます。
ここのポジションはまぁ覚えることが多いので、はっきり言って最初のうちはめちゃくちゃ面倒くさいですけど、慣れてきたら休憩もすぐに入れるので楽っちゃ楽なポジションです。
ただ外仕事なので天気が悪いとめちゃくちゃ萎えます。例えば真冬の大雪の日に当番になった時はマジで最悪でしたね。
券売(チケット売り)
東京国立博物館の入り口の正門近くでチケットを売ります。
改札(チケットもぎり)
特別展示室に入る所でチケットをもぎったりスタンプを押したりします。
インフォメーション
総合的な受付です。例えば案内誘導とかをしていてわからないことがあると、インフォメーションの人に内線で聞いたり、質問してきたお客さんを直接インフォメーションに向かわせたりします。
あとは落とし物を預かっておいたり、大きな荷物をインフォメーションで預かったりします。
語学に関しては当然あったほうが良いのですが、まぁ無くても気合でいけると思います。笑
終わりに
以上、この様にまとめてみました。
博物館で働いてみようか迷っている人や考えている人がいたらぜひ参考にしてみてください。
実際に働いてみなければわからないことも沢山ありので、意外とハマるかも知れませんよ(笑)
それではこの記事は終わりとなります。
何か質問がある方はコメント欄にお願いします。分かる範囲でお答えします。
また別の記事でお会いしましょう!
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2 comments
コメント失礼いたします!東京国立博物館でのアルバイトを考えており、参考にさせていただきました。私は案内・誘導スタッフ志望の女子大生なのですが、案内・誘導スタッフはどちらかと言うと警備員に近いポジションなのでしょうか?当時の服装なども知っていれば教えていただきたいです。
なあこ様、コメント有難うございます。
>>私は案内・誘導スタッフ志望の女子大生なのですが、案内・誘導スタッフはどちらかと言うと警備員に近いポジションなのでしょうか?
当時の情報なので現在とは異なる可能性もありますが、基本的に女性の方は全て美術品の監視員に配置されるので、正門または館内の入り口に立って案内・誘導するスタッフや警備員に配置されることは無いと思います。
ちなみに案内・誘導スタッフは監視員と巡回警備員(衛視)の中間みたいなポジションで、良くも悪くも万能的に色々な業務をやらされる感じです。笑
>>当時の服装なども知っていれば教えていただきたいです。
こちらも当時の情報になりますが、男性の場合はネクタイ以外(スーツや革靴など)は全て自前で、女性の場合は自前ではなく制服(ブレザーとスカート)を貸し出されるのでそれを着用する感じです。