BIOS(UEFI)画面へ行けない…!?
こんにちはchessinuです。
つい先日、いつも通りにPCを使用し様々な作業をしていた所、少しCPUファンの回転数が強く感じたので設定し直すことにしました。
自分の場合CPUファンの設定はBIOS(UEFI)画面から、「Smart Fan Mode」を使用して手動で調整しているので、ファンの設定を変更するには一度作業を止めBIOS(UEFI)画面へと行く必要があります。
ということで作業を一時中断し、いつも行っている方法でBIOS(UEFI)を起動させることにしました。
しかしどうしたことか、いつまで待っても画面が真っ暗のままで、BIOS(UEFI)画面へと行くことが出来ません…
とりあえず方法を変えて、(再)起動中に「Deleteキー」を連打してみても駄目。
PC(OS)自体は起動するのに、BIOS画面へ行けないというのは初めての経験。(BIOSが起動しなくてOSも起動しないというケースは何度かあるんですけどね…)
う~ん、どうしたものか。。。
というわけで今回の記事はBIOS(UEFI)画面へと行けない問題を解決するために行った、「BIOSの設定情報の初期化(リセット)」方法についてまとめてみました。
なお初期化に関する作業を行う際は、必ず自己責任のもとで行ってください。
BIOSの設定情報を初期化する前に試してみた事
とりあえずBIOSの設定情報を初期化する前に、BIOS(UEFI)画面へ行けない原因を考えてみることにしました。
- 接続しているハードウェアに何か問題がある?
- Windows上で何か変な設定をしている?
- マザーボード自体に問題がある?
- ボタン型電池の問題?
などなど色々と候補は出てきます。
しかしどれが原因なのかは全く分からないので、片っ端から検証することに…
検証
接続しているハードウェアになにか問題がある?
とりえあえずマザーボードに接続されている「電源・CPU・メモリ」以外、全てのハードウェアを外してみました。(いわゆる最小構成)
そして改めて電源を入れてみると…うーん、やはりBIOS画面へ行けない。。。
Window上で何か変な設定をしている可能性?
ネット上で調べてみた所、「高速スタートアップを有効にする」を設定していると、BIOS画面へ行けない場合があるとのこと。
しかし自分の場合は既に「高速スタートアップを無効にする」と設定していたため関係ない模様…
マザーボードに問題 or ボタン型電池に問題
これに関しては正直何とも言えませんね。
ただし基本的にボタン型電池(リチウム)は「3~5年程度」は持つはずです。しかし自分の場合、マザーボードを購入してからまだ半年程度しか経っていないのでこれが原因とは思えません。
結論
うーん、分からん!
ということで、グダグダ考えていても無駄との結論に達したので、さっさとBIOS(UEFI)を初期化することに。
BIOS(UEFI)設定情報の初期化方法
初期化について
MSI製のマザーボードで設定した、BIOSの情報を初期化する方法は以下の2種類があります。
ちなみに先程から初期化という言葉を使用していますが、これから行う作業は正確に言うと「現在のBIOSバージョンのまま、今までに変更した設定だけを工場出荷時の設定に戻す」ということになります。
つまり
BIOS(完全)初期化 ≠ BIOS設定情報の初期化
なので以下の作業を行っても、「アップデートをしたBIOSのバージョンが元に戻る」ということではありませんのでご注意ください。
初期化によって改善するケース
もし以下の状況で問題が起きた場合に行ってみると、症状が改善されるかも知れません。
- BIOSをアップデートした後の不具合
- BIOS(UEFI)で設定の変更をした後に不具合
- PCの構成要素を全体的に変更した後の不具合
- …etc
BIOS(UEFI)画面から設定
1つ目の方法は、直接BIOS(UEFI)画面から設定情報の初期化の設定をします。
手順は以下の様になります。
- BIOS(UEFI)を起動させる
- 画面上で「F6キー」を押す
- Load Optimized Defaultsで「Yes」
実際に設定してみる
まずはBIOS(UEFI)を起動させます。
次に「EZ Mode」と「Advanced」どちらでも良いので、「F6キー」を押して「Load Optimized Defaults」を呼び出します。
Load Optimized Defaultsが表示されたら、「Yes」を選択するとBIOSの設定が自動で初期化されます。
簡単にBIOSの設定を初期化出来て便利ですよね。しかし自分の場合は、この方法では出来ません。
何故ならBIOS画面に行けないから!
なので別の方法でやる必要があります。
CMOSクリア
それでは2つ目の方法である、「CMOSクリア」について紹介をしていきます。
CMOSクリアとは?
CMOS(シーモス)にはBIOSの情報が保存されています。
そしてそのCMOSをクリアする事で、BIOSで設定した情報を初期化することが出来ます。
CMOSクリア=BIOS設定情報の初期化
ちなみにCMOSクリアはMSI製マザーボードだけでなく、他のメーカーのマザーボードでも同様に「BIOSの設定情報の初期化」を行うことが出来ます。
実際にCMOSクリア作業を行う
それでは実際にCMOSクリア作業を行っていきます。
CMOSクリアを行う方法は基本的に以下の3つになります。
- ボタン型の電池を外して自然放電させる
- ジャンパ or ランドを強制的にショートさせる
- Clear CMOS Buttonを利用する
作業前に静電気防止手袋を装着
マザーボードというか、PCケース内を弄る時に一番恐ろしいのは静電気です。特に冬場の作業の際には注意します。
静電気でもし「バチッ」っとやってしまうと、一瞬ですべてを失う可能性があります。なので作業をする際には、静電気を除去する道具を使用した方が良いと思います。
体に付けて静電気を逃すタイプでも良いのですが、やはり手袋タイプのものが定番で無難だと思います。
ボタン型電池を外して自然放電させる
それではまず「ボタン型電池を取り外して自然放電させる」方法について紹介していきます。
まぁ特に難しいことは何も有りませんので、早速作業を始めていきましょう!
- 電源を切って電源コードを抜く
- ボタン型の電池を外す
- 自然放電させる
1. 電源を切って電源コードを抜く
まず始めにパソコンをシャットダウンした後に、電源ユニットの電源をオフにして電源コードを抜きます。
中には作業する際に、電源ユニットからマザーボードに接続されているケーブルを全て外している方もいますが、自分の場合は面倒くさいので電源ユニットから電源コードだけを外していつも行っています。
現時点では特に失敗や不具合は起きていませんが、心配な方は電源ユニットからマザーボードに接続されている物(電力を供給している物)を全て外して、CMOSクリア作業を行ったほうが確実だと思います。
ちなみに電源コードなどを外した後に、「PCケースの電源ボタンを数回押す」と放電作業が捗る的な事を聞いたことがあります。
気休め程度かもしれませんが、やってみても良いと思います。
2. ボタン型電池を外す
それではこの作業の「肝」であるボタン型電池を外します。
ボタン型電池がある場所は、各自使用しているマザーボードによって違いますので、必ずマニュアルなどで事前に確認しておいてください。
ちなみに自分のマザーボード(MSI X570 GAMING PRO CARBON)だと、ボタン型電池の場所はグラフィックボードが挿してある真下の場所になります。
なのでCMOSクリアをするには、一度グラフィックボードを取り外す必要があります。
ボタン型電池の外し方には少しコツが必要です。
まず留め金(ノッチ)の部分を、下の画像に記してある方向に爪先か何かで押します。
するとボタン型電池が少しだけ浮くので、浮いている間に引っ張り出します。
電池が上手く取り外せない場合
新品のマザーボードの場合、もしかたら硬くかっちりとハマっていて電池が取り外し難いかもしれません。また、その時の爪の長短によっては作業が困難な場合もあります。
そんな時にはいい方法(?)があります。自分も爪を切った直後で、電池が非常に外しづらかった時に考えついた方法です。
まずガムテープを良い感じの大きさに切ります。
次にボタン型電池の上にペタっと貼り付けます。
そして先ほどと同じ様に爪で留め金(ノッチ)を押し、電池を浮かした状態でガムテープを上に引っ張ります。
するとこの様に簡単に取り外すことが出来ました。まぁ参考までにどうぞ笑
3. 自然放電するのを待つ
ボタン型電池を外したら約5分~60分の間、何もせずに放置してればいいだけです。
そしてその後は映画を見ていてもいいですし、勉強をしていてもお風呂に入っていてもゲームをしていても構いません。
ただ時間が経つのを待つだけです。
なので急ぎの用でない場合はこちらの方法で良いと思います。
必要な時間に関してはそれぞれの環境で違ってくるので何とも言えませんが、どこのサイトでも大体10分程度を目安にって感じですね。
心配であれば、1時間程度放置しておけばまぁ確実かと思います。(ちなみに自分がこちらの方法を利用してCMOSクリアをする場合は確実性を考慮し、夜寝る時にボタン型電池を外しておき、朝になったら取り付けてPCを起動させます。)
そして自然放電が終わったら、ボタン型電池を元に戻す作業を行います。
注意点としてはボタン型電池には向きがあり、必ず入っていた状態と同じ様に戻します。
下の画像を参考に、ボタン型電池の「表(+)と裏(-)」の入れる向きに気を付けながら戻してください。
ボタン型電池を元に戻す作業が終わったら、電源コードを挿し込み電源を入れてBIOS画面へと入り設定をして終了です。
ジャンパ or ランドを強制的にショートさせる
ボタン型電池を取り外さないで、マザーボード上にある「ジャンパピン」や「ランド」を強制的にショートさせることでCMOSクリアを行います。
- ジャンパを強制的にショートさせる
- ジャンパピンをジャンパブロック(キャップ)を使用してショートさせる
- ランドを強制的にショートさせる
- ランドをマイナスドライバーなどを使用してショートさせる
どちらの方法で作業を行っても特に問題はないのですが、強制的にショートさせて製品に何か不具合が起きると「保証対象外」になる可能性があります。
なのでもしショートさせるのが不安だったりやり方に自信がない場合は、自然放電するのを待った方が良いと思います。
強制的にショートをさせて行う場合は、必ず「自己責任のもと」でお願いします。
ジャンパをショートさせる
まずはジャンパを強制的にショートさせる方法についてです。
ジャンパは使用しているマザーボードによって、「2ピン」と「3ピン」に別れています。先程と同じ様に、PCの電源を切り電源コードを抜いた後で、以下の作業をそれぞれ行っていきます。
- 2ピン
- ジャンパにジャンパブロック(キャップ)を5~10秒程度取り付けてショートさせる。
- 3ピン
- 「左(右)・中央ピン」に挿してあるジャンパブロックを、「中央・右(左)ピン」に5~10秒程度挿し直してショートさせる。ショートさせた後は、必ずジャンパブロックを元々被せてあったピンに戻しておく。
ただし正確なジャンパブロックの位置に関しては、必ず付属のマニュアルでご確認ください。
- 「左(右)・中央ピン」に挿してあるジャンパブロックを、「中央・右(左)ピン」に5~10秒程度挿し直してショートさせる。ショートさせた後は、必ずジャンパブロックを元々被せてあったピンに戻しておく。
2ピンタイプ
自分のマザーボードは2ピンタイプの物だったので、ジャンパピンにジャンパブロックを取り付けるだけで済み、めちゃくちゃ楽でした。
ジャンパピンやランドはマザーボード上に「CLR~」又は「JBAT~」と書かれている箇所にあります。
恐らくMSI製のマザーボードだとJBAT~と書かれているタイプが多いようですが、正確な位置に関しては付属のマニュアルに記載されているので各自ご確認ください。
下の画像がJBATジャンパピン(2ピン)です。
これに付属のジャンパブロック(キャップ)を、上から被せて約10秒ほど取り付けて強制的にショートさせます。
そしてショートさせた後は必ずジャンパブロックを外し、ジャンパピンを元の被せていない状態に戻しておきます。
なおジャンパブロックはとても小さいので失くしやすいです。というより、そもそも2ピンタイプのマザーボードには付属していないことの方が多かったりします。
なので持っていない方は、Amazonなどで「ジャンパブロック」や「ジャンパキャップ」などと検索すれば、商品が出てくるのでそちらを利用してみてください。
なお購入の際には「ピッチ(ピンの間隔)」に注意してください。 通常は「2.54mm」がほとんどですが、使用しているマザーボードによっては「2.00mm」があったりします。
ちなみに、こういう取っ手(持ち手)が付いたタイプのジャンパブロックだと使いやすかったりします。(ピッチ : 2.54mm)
他にも「ドライバーの先端」や「ピン」などを使用してショートさせる方法もあったりはしますが、正直オススメはしません。
ジャンパブロックを元に戻す作業が終わったら、電源コードを挿し込み電源を入れてBIOS画面へと入ります。
3ピンタイプ
初期状態では下の画像のように、2つのピンにジャンパブロックが被せてあります。
そしてこのジャンパブロックを外して入れ替え、約10秒程度被せてショートさせます。
ショートさせ終えたらジャンパブロックを元の位置に戻して、電源コードを挿し込み電源を入れてBIOS画面へと入ります。
少し特殊な方法を紹介
OC(オーバークロック)をする人は、割と頻繁にCMOSクリアをします。
それでいちいちPCケースの蓋を開けて、電池を抜いたりジャンパブロックを取り付けたりするのは結構面倒くさいですよね。
なのでそういう場合は、PCケースの「リセットボタン」を使用する方法もあるので一応紹介しておきます。
やり方はとても簡単です。
まずPCの電源を切って、電源ユニットから電源ケーブルを抜きます。
次にフロントパネルコネクタに差してある「リセットスイッチケーブル」を抜いてジャンパに差し込みます。
そしてリセットボタンを押します。
以上です。
ただしこれはあくまでも「こういう方法もあるよ!」という紹介ですので、まぁやりたい方は自己責任のもとで行ってみてください。
ちなみに自分の場合はPCケースのリセットスイッチケーブルを使用しないで、Amazonなどで売っている取り出し用のケーブルを差して行っています。こちらの方が長さもあり取り扱い易いのでお勧めです。
この中にある「リセットスイッチケーブル」を利用します。
ランドを強制的にショートさせる
正直な所、使用しているマザーボードがランドタイプの物の場合は、素直に自然放電させる方が良いと思います。
理由は単純にランドタイプの方法は少しやり方などが面倒な部分があり、また失敗した時のリスクなどもあるので自分なら自然放電を選ぶと思います。
というより、今どきランドしか無いマザーボードの方が珍しい感じですよね。
Clear CMOS Buttonを使用する
正直な話、自分は「Clear CMOS Button」でCMOSクリアを行ったことがありません。
というのもClear CMOS Buttonに関しては、その機能(ボタン)が付いているマザーボードでないと使用することが出来ないからです。
おそらくこの機能が付いているマザーボードは結構上位クラスの製品だと思います。(自分の安いマザボードには無かったです…)
なのでこちらの方法に関しては、「付属のマニュアル」に必ず手順などが記載されている通りに行ってみてください。
手順としては「PCの電源をoffにする」→「Clear CMOS Buttonを5~10秒押す」ことでCMOSクリアされるようです。とてもシンプルで簡単に行えそうですが、まぁ実際に自分で使用したわけではないので何とも言えません汗
CMOSクリアした結果
CMOSクリアが正しく行われると、PC起動時に以下の様な画面が出てきます。
赤枠で囲った部分には「CMOSクリアが行われたので、F1キーを押してBIOSを設定する or F2キーを押してそのままの設定でOSを起動させる」という選択項目が出てきます。自分の場合はBIOSを確認したいので「F1キー」を押しました。
すると無事にBIOS(UEFI)を起動させ設定画面へと行くことが出来ました!
そしてCMOSクリア後は「日付」や「周波数」や「ファン設定」及び「ブートデバイスの優先順位」など設定していたものがリセットされているので、必ず直しておく必要があります。
逆に言うと、日付などがリセットされていない場合はCMOSクリアに失敗していることになります。
訂正 : 調べてみた所、CMOSクリアが成功しても全てがリセットされない?場合もあるそうです。特に時計部分はクリアされ難いとかなんとか…
まぁとりあえず電源を入れた際、画面上に「CMOS have been cleared」みたいなのが出たらokってことです。
それにしてもBIOS画面へ行けなかった原因としては、やはりBIOS(UEFI)で変な設定をしてしまった可能性が考えられますね。
BIOSを初期化することでシステムが回復したので、なおさらその線が濃厚になってきました。
まぁいずれにせよ直ったのでひとまず良かった~♪
ということで、MSI製マザーボードのBIOS(UEFI)の初期化方法を紹介する記事は以上で終わりとなります。
それではまた別の記事でお会いしましょう!
さようなら~
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