ファンスピードをコントロールしよう!
こんにちはchessinuです。
この記事ではMSI製のマザーボードで、以下に挙げるファンの回転数(スピード)を調節・変更する方法について紹介していきます。
- CPUファン
- GPUファン
- PUMPファン
- SYS(System)ファン
- Chipsetファン
近年AMDから次世代CPUのRyzenが発売され自作PC界隈が盛り上がる中、MSI製のマザーボードを使用してPCを組み立てている人も多いのではないかと思います。
やはり自作PCの良い所と言えば、自分で色々な事を自由に設定してカスタマイズ出来ることですよね!
しかし「ファンの回転数を調整する方法」はマザーボードを制作しているメーカーによって、それぞれ操作や設定の仕方が多少変わってきます。
なのでMSI製のマザーボードを初めて使用する際は多少戸惑ったりすると思うので、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください!
また、こちらの記事で「Dragon Center」の使い方や機能について紹介していますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください!
CPU・PUMP・Chipset・SYSファン回転数の調整・制御方法
- CPUファン
- CPUを冷却するファン
- PUMPファン
- 水冷CPUクーラーのポンプなど
- Chipset(チップセット)ファン
- Chipsetを冷却するファン
- SYS(System)ファン
- PCケース内の空気を循環させるケースファンなど
これらのファンを調整・制御する方法は、基本的には以下の2種類になります。
なお記事内でファン調整の際に動かす玉のことを「ピリオド」と呼んでいますが、これは公式な呼び方とかでは一切なく、ただ自分がそう勝手に呼んでいるだけなので気にしないでください。
(もしかしたら正式名称があるのかも?笑)
また記事内の画像が見えにくい場合、画像をクリック(タップ)すると拡大されます。
Dragon Center
DRAGON CENTERは、マザーボードとグラフィックカードの統合ユーティリティとして開発されており、MSI GAMINGシリーズ・グラフィックカードを利用していれば、GPUクロックやファン制御などを行うことも可能です。
それではまず始めにDragon Center(ドラゴンセンター)を使用して、ファンの調整を行う方法について紹介します。
Dragon Centerには様々なバージョンがありますが、ここでは記事を書いている現時点での最新バージョンを使用して紹介します。
ただし古いバージョンでもUIが多少違うだけで、やること自体は何も変わらないので大丈夫だと思います。
手順
まず始めにDragon Centerを起動させ、左の欄にある「User Scenario」を選択し、「Customize」をクリックします。
Customizeをクリックすると、「CPU Fan」「PUMP Fan」「SYS Fan」「Chipset Fan」などの項目が出てきます。
補足
MSI製のグラボを使用していると、こちらの画面で「GPU Fan」の設定もできるようです。
ただ自分が使用しているのは、GIGABYTE製のグラボなのでここでは「GPU Fan」などの設定はできませんでした。
そこから自分が設定したいファンの所をクリックして、ファンの回転数などの調整・制御を行います。なお今回はCPUファンを選択して進めていきます。
CPUファンの設定画面に来ました。
まずは中心にあるグラフについてですが、「横軸がCPU温度」で「縦軸がCPUファンの回転数(%)」となっています。
そしてグラフの中にある赤い玉(ピリオド)を弄ることによって、ファンの回転数(スピード)を自由に調整することが出来ます。
白い玉はリアルタイムの「CPU温度」と「ファンの回転数(%)」を表しています。
実際に適当に調整してみました。
下の画像のグラフでは左から二番目のピリオドを弄り、「CPU温度が20℃の時にファンの回転数を50%にする」という設定にしてみました。
他のピリオドも弄って調整してみてください。
適当に調整したので戻したいと思ったら、右下に「Default」があるのでそこをクリックすると、初期の設定状態に戻ります。
ちなみにその上にある「Fan Tune」では(CPU)ファンのチューニングが行われ、ソフトウェア側が回転数を自動で調整してくれます。
そして次は右上にある「Manual Fan」を選択します。
ここでは手動でCPUファンの回転数をCPU温度に依存せずに、「25%・50%・75%・100%」の中から選択して固定することが出来ます。
ある一定のファン回転数で使用したい場合には、ここで調整してみてください。
また「User Sceanario」欄には、Dragon Center側で最初から用意されている自動設定モードがあるので、そちらを利用しても良いかも知れません。
- Extreme Peformance
- オーバークロックをして、可能な限りパフォーマンスを上げる設定
- Balanced
- MSIが推奨している、一般的なバランスのとれた設定
- Silent
- 省エネモード的な感じの設定
BIOS(UEFI)
次に「Click BIOS 5」を使用して、BIOS(UEFI)からファン設定を行う方法を紹介していきます。
ただ「Click BIOS GSE Lite版」をご使用の方でも、UIや操作方法が「Click BIOS 5」と比べて多少(?)簡素化されているだけで、基本的な設定方法にそこまで違いはありませんので参考にしてみてください。
それではまず、(再)起動中に「Deleteキー」を連打してBIOS(UEFI)設定画面へと行きます。
BIOS設定画面へ来たら「EZ Mode」「Advanced」のどちらからでも良いので、「Hardware Monitor」を選択します。
Hardware Monitor画面の解説
こちらのHardware Monitor画面の項目について簡単に解説していきます。
ただ正直なところ、説明だけを見ていてもイマイチわかりにくところがあるかと思います。
なので一連の流れをザッと頭の中に入れたら、実際にご自身でBIOS画面から操作してみるのが一番理解しやすいです。(もしくわスマホでここを見ながらでも)
- グラフ
- Temperature
- Fan Control
- 各種設定
- Temperature Source
- CPU Fan1 step up time
- CPU Fan 1 step down time
グラフ
まず最初にグラフの使用方法について解説します。
Smart Fan Modeについてですが、各ファンをどの温度でどの回転数(%)にするかを事前に設定しておけば、それに合わせて各ファンが自動で動いてくれます。
ちなみに下の画像の左上にあるSmart Fan Modeのチェックボックスを外すと、各ファンがフル回転するようです。なのでPCを起動した時にファンがフル回転してしまう人は、ここのチェックが外れている事が原因の可能性もあります。
一般的にはSmart Fan Modeで設定をして、使用している方がほとんどだと思います。
使い方はとても簡単で、先程のDragon Centerの時と同じ様に青い玉(ピリオド)をマウスでドラッグして動かし、自分の好きな温度・ファン回転数(%)に設定します。
例えば下の画像では右上にあるFan ControlからCPUファンを選択し、「CPU温度が40℃」の時に「CPUファン回転数を40%」で動かすように設定しています。
またCPUファンの回転数をCPU温度ではなく、例えばChipsetの温度変化に合わせて調節したい場合は、下の画像の左端にある「Temperature Source」のドロップダウンリストからChipsetを選択します。
なお使用しているマザーボードにもよりますが、Chipsetファンを手動で調整する場合には、下の画像のように「Manual Mode」を選択します。
ちなみにBIOSのバージョンによっては、この様に表示の仕方が違う可能性もあります。
どちらの表示方法にせよ、マニュアルモード選択後は他のファンと同じ様にして調整します。
また、各ファンの回転数を「温度に依存せずに固定して」使用する場合は、青い玉を横一列に配置します。
例として、下の画像では、温度に関係なく常に50%のファン回転数になるように設定してあります。
Temperature
中央のグラフに以下の内から選択した物の温度グラフ(白い線)が表示され、またファンの回転数のグラフ(黄色い線)も同時に表示されます。
- CPU
- System
- MOS
- Chipset
- PCIE
- M.2
- …etc
Fan Control
選択したファンを中央のグラフに表示させ、ファン回転数の調整・制御することが出来ます。
- CPUファン
- PUMPファン
- System1~ファン
- Chipsetファン
ちなみに自分の場合は、ケースファンに関してはケース付属の「ファンコントローラー」を使用しています。
なのでマザーボード上のSYS_FANコネクタは一切使用していないので、Systemは全て0 RPMになっています。(今後何かで使うかも知れませんが)
またChipsetファンに関しては、セミファンレスタイプのマザーボードを使用しているため、低温度下では0 RPMになっています。
ただセミファンレスタイプは温度がかなり上がらないと、ファンが回転しない仕様になっているので、少し調整しても良いかも知れません。
各種設定
先にPWM(Pulse Width Modulation)とDC(Direct Current)のどちらかを選択し、その下にある項目をそれぞれ設定していきます。
- PWMモード
- 一定の電圧を出力し、PWM信号によってファン回転数をコントロール
- DCモード
- 「電圧出力を変える」ことで、ファン回転数をコントロール
ということでDCを選択すると縦軸が(%)から(V)に変化し、「温度」と「電圧」による調整となります。
例えば下の画像では、「40℃の時に7.2Vでのファン回転数」になるように設定してあり、電圧(V)が上がるほどファンの回転も早くなります。
どちらのモードから調整してもいいのですが、PWMモードが使用できるのであれば、そちらで調整するのが一般的ではあります。
ちなみに、使用しているマザーボードによっては「Auto」があります。自分のマザーボードには無い機能なのでアレなんですが、まぁおそらく自動で状況を判断してモード設定をしてくれるのだと思います。
・Temperature Source
先程少し紹介しましたが「Temperature Source」はFan Controlで選択したファンを、どの温度の変化に応じて動かすかを「CPU System MOS Chipset…etc」の中から選択します。
例えばFan Controlで「Chipset」を選択した状態で、Temperature Sourceを「CPU」に設定した場合は、Chipsetのファン回転数はCPUの温度変化によって変わるということになります。
まぁよほど拘りがあるという場合を除けば、「CPUならCPU温度」「ChipsetならChipset温度」で合わせるのが一般的かと思います。
他の使用例としては、マザボのCPUファンコネクタ1つに対して取り付けるCPUファンに2本のケーブルがあった場合、CPUファンコネクタ以外のファンコネクタにケーブルを接続しTemperature Sourceを「CPU」に変更して同期したりします。
ただ大抵の場合、そのようなCPUファンには1つにまとめるための分岐ケーブルなどが付属しているので、特に設定を弄る必要はなかったりしますが。
・CPU Fan1 step up time
「CPU Fan 1 step up time」はその項目名通り、CPUのファンの回転数を上げていく時に必要とする時間です。
0.1~0.7sの中から選びますが、0.1が一番早いペース(タイミング)で回転数をあげ、0.7が一番遅いペース(タイミング)で回転数を上げていきます。
・CPU Fan 1 step down time
「CPU Fan 1 step down time」は先程のstep up timeとは逆に、CPUファンの回転数を落としていく時に必要とする時間です。
0.1~1.0の間で選びますが、0.1が一番早いペース(タイミング)でCPUファン回転数を落としていき、1.0が一番遅いペース(タイミング)で回転数を落としていきます。
補足事項
設定について
通常はデフォルトの設定でも特に問題は無いと思いますが、それぞれ項目をご自由に設定してみてください。
そして全ての項目で設定が終わったら、【Save & Exit】から【Save Changes and Reboot】を選択し再起動して終了となります。
注意点
現在ご使用されているPCにDragon Centerがインストールされている場合、BIOSからファンの回転数を設定しても上手く作動しない可能性があります。(Dragon Centerの設定が上書きしてしまうため)
なのでDragon Centerをインストールしている方で、BIOSでのファン設定が上手く反映されない場合は、Dragon Centerでファン回転数を設定してみてください。
【追記】
ドラゴンセンターのアップデートに伴い、ドラゴンセンター内にある「User Scenario」から、ファンスピード調整を「BIOSで設定する」or「ドラゴンセンターで設定する」のかを選択する機能(Software Control Mode)が搭載されました。
「FAN」のチェックを外せば、BIOSでの設定が上書きされずに反映されるそうです。
GPUファン回転数の調整・制御方法
GPUのファン回転数のコントロールに関して、最も一般的に行われている方法はMSI製のソフトウェア「Afterburner」を利用することです。
自身もAfterburnerを利用してGPUのファン回転数を調整・制御しています。
また「Afterburner」と「RivaTuner Statistics Server(RTSS)」をインストールすることで、ゲーム画面上にCPU温度やGPU温度など様々な項目を表示させることが出来ます。(画像左上)
正直なところ、同じMSI製のソフトウェアのDragon Centerに関しては色々と不満な点はあるのですが、「Afterburner」に関してはとても優秀で使いやすいので、世界中で普及しているのも納得ができます。
ちなみにYoutubeのゲームプレイ動画などでよく見かける、ゲーム画面上に「CPU温度」や「FPS」などの数値を出す方法に関して、詳しく紹介した記事を書きましたので参考にしてみてください!
Afterburnerダウンロード場所
MSI Afterburnerのファイルをダウンロードする場所は以下のとおりです。
必要な方はどちらかでダウンロードをしてください。
MSI公式サイト
MSI社が発行しているソフトなので、【MSI公式サイト】からファイルをダウンロードします。
2021年1月現在、こちらの「Afterburner」のバージョンは「4.6.2」となっています。最新バージョンの「Afterburner」を使用したい方は、次に紹介する場所でダウンロードをしてください。
Guru3D
【Guru3D】というサイトからダウンロードをします。
サイトへ行き「約5秒」ほど経つと、自動で保存場所を聞かれてファイルのダウンロードが始まります
なお自動でダウンロードが始まらない場合は、ページ下部にある「click here」から手動でダウンロードをしてください。
こちらの「Afterburner」のバージョンは「4.6.3 Beta 6」となっており、一応「ベータ版」ではありますが最新のバージョンとなっています。(2021年1月現在)
Afterburnerでファン回転数を設定する方法
それでは実際にAfterburnerで、GPUのファン回転数を調整・制御する方法について紹介していきます。
まずはダウンロードしたAfterburnerのファイルを開いて起動させます。
するとこの様な画面が表示されますので、歯車のアイコンをクリックします。
次に「ファン」タブを選択し、「ユーザー定義ソフトウェアによる自動ファン制御を有効にする」にチェック入れます。
チェックを入れると、「縦軸がGPUファン回転数(%)・横軸がGPU温度(℃)」のグラフ画面が表示されます。
このグラフをCPUファン回転数を弄った時と同じ様に、玉(ピリオド)をドラッグして自分の好きなように設定にします。
試しに適当にピリオドをドラッグして設定してみます。
下の画像のグラフではGPU温度が50℃の時に、CPUファン回転数を70%で回すように設定してみました。
ピリオドの追加方法に関してですが、グラフの線上をクリックをすることでピリオドを追加することが出来ます。
ピリオドは最大で8個グラフに表示させることが出来るので、かなり細かく設定はできそうですね。
ただ使用しているグラフィックボードによっては静音性を保つためなのか、GPUの温度が低すぎるとファンの設定をしても、その通りに上手く作動しないことがあるようです。
またGPU温度に関係なく、GPUファン回転数を固定したい場合は【Auto】を解除します。
そして「Fan Speed」を好きな回転数(%)にゲージを合わせたら、適用ボタンを押して設定終了です。
また設定を元のデフォルト状態に戻したい場合は、適用ボタンの左隣りにあるリセットボタンを押します。
各種設定項目
ここの項目に関しては、最初はとりあえずデフォルトの設定のままでも良いかと思います。
- ファン回転速度の更新間隔(ミリ秒)
- あるピリオドからピリオド間での、ファンの回転速度が変わる時の更新間隔を設定します。数字が小さいほど早く変わり、数字が大きいほどゆっくり変わります。数字は100~60000(0.1秒~60秒)の間で選びます。
- Temperature hysteresis
- 設定した数値が大きいほど、グラフィックボードのファンストップの閾値を超えても、ファンの回転数を変更せずに余分に冷却してくれるという機能です。ヒステリシスを設定する場合、数値は1~15の間で選びます。
- Force fan speed update on each period
- 各ピリオドごとにファンのスピードを強制的に更新します。他のツールなどでファンスピードを設定している場合があっても、こちらの設定を上書きして強制するということです。特に問題がない限り、チェックは入れなくても良さそうです。
その他
またAfterburner以外でも、現在PCに使用しているグラボのメーカーが発行しているソフトウェアを利用して、GPUファン回転数を調整することもできます。
例えば自分の場合はGIGABYTE製のグラボを使用しているので、こちらのソフトウェアからでも同じ様に調整する事が出来ます。
お好きな方法で調整してみてください。
まとめ
とりあえずここまで「Dragon Center」と「BIOS/UEFI」「Afterburner」を利用して、ファン回転数をコントロールする方法について紹介しました。
他にもまだ別の方法はいくつかあるのですが、個人的な見解では「BIOS/UEFI」と「Afterburner」での設定方法を知っていれば何も問題は無いと思います。
自分も実際にはその2つしか利用していないのですが、現時点では全く不自由なく快適なPCライフが送れています。
逆に色々ソフトを入れて調節してしまうと、どれがどれに作用しているのか分かりにくくなってしまうので止めたほうが良いと思います。
それではぜひ皆さんもお好きな方法で、色々と試しながらファンの回転数を設定してみてください。
以上でこの記事は終わりとなります。
また別の記事でお会いしましょう!
さようなら~
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