数学オリンピックとは?
こんにちはchessinuです。
今回はただの雑談記事です。
毎年この時期になると一つ思い出すことがあります。
そう皆さんご存知の
“数学オリンピック“
…って誰も知らないですよね笑
数学オリンピックとは何なのかをざっくりと言うと
「数学を好きな学生(高校生以下)」が「数時間かけて数学の問題」を「数題解く」コンテスト(大会)です。
もっと詳しく説明すると数学オリンピックには
- 日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)
- JJMOは中学生以下が参加します。
- JJMOは中学生以下が参加します。
- 日本数学オリンピック(JMO)
- JMOは基本的に高校生が参加しますが、希望すれば中学生以下でも参加することができます。
- 国際数学オリンピック(IMO)
- IMOに派遣する代表は高2以下が対象となります。
という3つのコンテストがあり、JMO/JJMOはIMOに派遣する日本代表を選考するための予選会のような位置づけになります。
ちなみにJMO予選は毎年3000~4000人程度の受験者数がいます。こっからドンドンと絞られて行き最終的に代表者が選出されます。
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数学オリンピックの歴史
国際数学オリンピック(IMO)は、1959年にルーマニアの首都ブカレストで初のコンテストが開催されました。
当初は参加国が7カ国程度と大変少なかったのですが、現在では100を超える国々が参加をしています。
日本が国際数学オリンピック(IMO)へ初参加したのは、1990年の第31回中国(北京)大会からになります。
その時の日本の最終的な順位は全体の20位(銀2・銅1)だったそうです。
過去の中で日本が一番順位が高かったのは、2009年のドイツ(ブレーメン)大会での2位(金5・銅1)です。
数学オリンピックの形式
それでは数学オリンピックの各大会(コンテスト)の形式について紹介していきます。
日本数学オリンピック予選
日本数学オリンピック予選は通常以下の様な形式で行われます。
- <日本数学オリンピック予選>
- 問題数
- 12問
- 解答時間
- 3時間
- 解答方式
- 答えのみ記述
- 合格者数
- A合格約200名
- B合格上位50%
- 会場
- 地域ごとの会場に集合
- 試験日
- 毎年1月中旬
- 参加費用
- 3~4千円
- 参加賞
- ボールペン・クリアファイルなど
- 問題数
日本数学オリンピック本選
そして予選A合格者を対象にした日本数学オリンピック本選は以下の様な形式で行われます。
- <日本数学オリンピック本選>
- 問題数
- 5問
- 解答時間
- 4時間
- 解答方式
- 証明問題含めた記述式
- 合格者数
- 約20名
- 会場
- 地域ごとの会場に集合
- 試験日
- 建国記念の日(2月11日)
- 参加費用
- 無料?
- 問題数
合同合宿
更に本選を合格した20名+ジュニア数学オリンピックの成績優秀者5名で合同合宿を行います。テストは本番である国際数学オリンピック(IMO)と全く同じ形式で行うことになります。
- <合同合宿>
- 日時
- 3月
- 会場
- 場所はその年により異なる
- 期間
- 約1週間(テストは2日間)
- 解答時間
- 1日4時間半
- 点数
- 1日7点満点の最高42点
- 合格者数
- 6名がIMOへ日本代表として派遣される
- 日時
国際数学オリンピック
そして選ばれし6名が、知の祭典である「国際数学オリンピック」に参加します。
- <国際数学オリンピック>
- 日時
- 7~8月
- 会場
- 場所はその年により異なる。2020年はロシアで開催。
- 期間
- 約1週間(テストは2日間)
- 解答時間
- 1日4時間半
- 点数
- 1日7点満点の最高42点
- 合格者数
- 6名がIMOへ日本代表として派遣される
- 費用
- 数学オリンピック財団持ち
- 表彰
- 収めた成績によって、金銀銅のメダルが授与される
- 日時
日本数学オリンピック予選の形式についてもう少し詳しく
話は戻りますが、何故この時期になると数学オリンピックを思い出すのかと言うと、実は自分もこの日本数学オリンピックへ参加していたからです。
高1高2と2回参加していたのですが、結局のところ2年連続で準合格にとどまりました…(高2の時はあと一点あれば合格できたので今でも多少悔いが残っています。。。)
以下は自身が参加した数学オリンピック予選の形式についての事です。
問題形式/解答方式
問題数は全部で12問あり部分点は一切なく答えのみを記述します。なので途中の計算式を間違えていようが答えさえあっていれば正解となります。
問題によって配点の差はなく全てどの問題も一律に1点となります。
なお計算する用紙があるのですが、これが1~2枚くらいしか貰えずに地味に苦労したので考えて使用したほうが良いです。
解答時間
解答時間は3時間で途中休憩などは一切なく、ぶっ通しで問題を解き続けていきます。
12問を3時間と聞くと長く思えるかも知れませんが、実際に問題を解いていると3時間なんてあっという間に過ぎていき常に時間との戦いになります。
なので初見でぱっと見て分からなそうな問題はもう一切解くことも考えることもせず、解けそうな問題を12問から取捨選択し解答していきます。
基本的に12問全てを解ける人は誰もいません(過去の合格者を見ても満点の人は居なかったと思います。たしか笑)。
主な出題分野
数学オリンピック財団の公式によると、日本数学オリンピックの主な出題分野は以下の様になります。
- 整数・代数
- 約数(最大公約数)・倍数(最小公倍数)・素数(素因数分解)
- 不定方程式(ディオファントス方程式)・整数解
- 合同式(連立一次合同式・フェルマーの小定理)
- 数列
- 平方数・恒等式・不等式
- 幾何
- 合同と相似・面積・三角形・円・空間図形・平面や直線の関係
- 組み合わせ・離散数学
- 数え上げ・場合の数・確率・グラフ・ゲーム
受験者数
近年の総受験者数はこの様になっています。
- 2014年 : 3200名
- 2015年 : 3267名
- 2016年 : 3389名
- 2017年 : 3096名
- 2018年 : 4088名
- 2019年 : 4108名
合格者数
年度によって多少違いますが「A合格者数が約200名」で、B合格者数は「A合格者を含めた全体の受験者数(約3000~4000人)の上位50%の成績を収めた者が該当する」となっています。しかし割と何とも言えない感じなので、下にある実際のデータを参考にしてみてください。
近年のランク別の合格者数のデータです。(★スマホ閲覧の方は横にスクロールしてください)
年度 | Aランク | Bランク | Cランク | 欠席 |
---|---|---|---|---|
2014年 | 219人 | 977人 | 2034人 | 255人 |
2015年 | 175人 | 1187人 | 1905人 | 241人 |
2016年 | 194人 | 768人 | 2427人 | 244人 |
2017年 | 181人 | 1724人 | 1899人 | 332人 |
2018年 | 228人 | 2048人 | 1812人 | 327人 |
2019年 | 303人 | 1468人 | 2337人 | 315人 |
合否判定基準
合否判定の基準ラインは、毎年難易度の差や参加人数によって異なるのですが大体以下のような感じになります。
得点 | ランク |
7~12 | 合格(Aランク) |
3~6 | 準合格(Bランク) |
0~2 | 不合格(Cランク) |
ちなみに直近3年間の結果だとこの様なデータになっています。
会場
そして会場についてですが、これは各都道府県ごとにそれぞれ1ヶ所もしくわ2ヶ所に集められて試験を行います。
自分の場合は某ビルの上層階で行われ、エレベーターが非常に分かりづらくて無駄にテンパっていたのを覚えています。
試験日
試験日に関しては毎年1月中旬頃となっているようですが、最近では成人の日に開催していることが多いようです。
申込方法
個人申込の方は郵便局で手続きします。学校一括申込の方は各々の学校で手続きしてください。
というか今時ネットで手続きすら出来ないのはどうなんですかねぇ…
受験生の負担増やしてるだけですよね。いい加減対応した方がいいと思いますが。
申込期間
公式では申込が6月から受付が始まり10月頃締め切りになっていました。
受験する方は各自ご確認ください。
参加費用
正確には覚えていないのですが、自分の時は確か4000円とかその位だったと思います。
公式を見てみても4000円となってました。ただ学校など団体での申込みだと人数によって割引が適用されるみたいです。
結構いいお値段なのでしっかり勉強してから受けましょう。
参加賞
参加賞に関しては年によって違うと思いますが、クリアファイルとボールペンが記念品として貰えました。今でもどこかに有ったと思うので探してみてもし見つかったら画像をアップロードしたいと思います笑
特別選抜入学試験制度
先程述べた参加賞(記念品)とは別に、(準)合格すると大学への特別選抜入学試験制度という賞品が貰えたりします。
確か自分の時はAランク合格で早稲田大学の理工系とかその辺で、Bランク合格だと明治大学だか中央大学だかの理工系への特別入学試験だったと思います。
自分はBランク合格だったので、賞品は貰ったのですが使うことはありませんでした。
アドバイス
まぁ一応Bランクとはいえ準合格はしたので、何かアドバイスを送るとしたらこんな感じです。
- 解ける問題だけを集中して考えること。それ以外の問題は存在を消すべし
- (答えさえあっていればいいので)無理にスマートに問題を解こうとしないこと。分からなければとにかく用紙に要素を書き出すのも大事(確率とか組み合わせとか整数問題とか)
- 寒暖両方に対応した服装(会場によって寒暖に差があるのでどちらでも対応できるように、ちなみに自分の場合は会場がめちゃくちゃ暑かった…)
- 必ず過去問を見て出題傾向・形式を確認しておく(これは当たり前)
過去問題
数学オリンピック財団公式ホームページ中段から無料で20年分くらい見られます。なお解答は一切ありませんので、解き方など詳しく知りたい方は関連書籍を購入してください。
お勧めの勉強書籍
数学オリンピックの勉強に役立つであろう参考書の紹介です。
終わりに
色々と書いてきましたが、やはり冬近くになると数学オリンピックの勉強をしていたのを思い出しますね。
合格はできなかったのですが寒空の下、友達と試験を受けに行きそして帰りに問題について皆で語り合ったのは今でも大切な良い思い出です。
この記事を見ている皆さんもぜひ友達や親戚、子供などに数学オリンピックを勧めてみてはいかがでしょうか?
余談ですが実は数学オリンピック以外にも学術の国際オリンピックってあるんですよ、例えば国際物理オリンピック,国際化学オリンピック,国際地学オリンピック…etc
興味のある方はぜひ調べてみてください!
以上でこの記事は終わりになります。
ではまた別の記事でお会いしましょう!
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